こんにちは。鈴木貴之です。
少し前に教室の生徒さんに下記のようなアドバイスをしました。
「高校生は英語”を”勉強するな、英語”で”好きなことを勉強しよう!」
そして今回はその続きとして、「中学生は英語の文法の名前をしっかりと覚えよう!」、つまり、「英語”を”しっかりと勉強しよう!」とお伝えしたいと思います。
中学生は文法(学校の勉強)をしっかりして、
高校生は基礎があるので英語”で”好きなことを勉強する。
これが私が声を大にして伝えたいことです。
なぜ、中学生と高校生では違うのか?
私の言葉が中学生と高校生で正反対なのは、ちゃんと理由があります。
それは、中学生程度の基礎ができていないと「英語”で”好きなことを勉強する」というのは非常に困難だからです。
つまり、中学英語というのは基礎中の基礎。
土台なくして建物を建てられないように、中学英語の基礎なくして英語を発展させることはできません。
他の言い方をすると、中学英語が分からないということは「種だけあってもちゃんと栄養を含んだ土がない状態」ということです。
そういう状態では、種から芽が出るかもしれませんが、きちんと育つことはできません。
それと同じで、中学英語がないということは根を張る土壌がないということですから、頑張って成長しようと思っても転倒してしまい、うまく育たないのです。
中学英語というのは言わば土。きちんと耕してあげたうえでその中に種(自分)を植え、そして定期的に水をやり育ててあげれば、必ず芽が出てきます。
だから、中学英語をしっかりと覚えることはとても大事なことなのです。
中学生が学校の英語の授業で学んでいるものとは?
では、中学生が学校の英語の授業で学んでいるのは何でしょうか?
それは、知識ではあるのですが、それだけではありません。
学校の英語の授業を受けるとどうなるのか?
この答えが分かると、英語というのは覚えやすくなります。
では、何を学んでいるかというと、端的に言えば文法です。ではなんで文法を学ぶかというと、自分が表現できることが広がるということです。
例えば、中学一年生で習う重要な文法は3つあり、「be動詞」「一般動詞」そして「現在進行形」です。文法が違うと何が違うのかというと、意味が異なります。意味が違うことを表現できるようになる為に英文法を学んでいるのです。
普段日本語を話している我々は意識していませんが、我々も文法の理(ことわり)ごとにしたがって日本語を話しているのです。英語にもそれがあって、それを学ぶのが学校での英語の授業なのです。
だから、中学生の頃の自分に会って私が自分に言いたいことは、「英語の授業を理解すればするほど、より広い世界のことが分かるんだということ。そして、自分が世界に向けて発信できることが広がるんだ」ということ。
そして、中学英語を理解するには、「英文法」というくくりで理解するのではなくて、「こういう風に単語を並べると、こういう意味になるのか?」という語順を覚えると良いということを伝えたいのです。
英語は語順に意味があります。だから、「語順を覚えること」=「英文法を理解すること」です。語順がぐちゃぐちゃだと英語は通じません。
日本語は語と語の間に「は」を入れると主語、「に」を入れると目的語など、文のどこに単語を入れてもその言葉の後に来る言葉を見るとどういう意味で使っているのかを理解できるようになっていますが、英語はそれがない為語順がずれると全く違う意味になってしまいます。
ここが日本語と英語が遠い言語である理由で、「語順に意味がある」、または「語順=文法」という捉え方をできないと中学生にとって英語というものがものすごく難しく感じてしまうのです。
英語に大量に触れることを通して英語的な感覚を育てることを私は推奨していますが、「英語的感覚って何?」と聞かれれば、この語順への体感的理解だと私は答えます。
高校生に英語”で”好きなことを学ぼうというのは、好きだからこそできる英語への大量接触を通してこの「語順への体感的理解」を育てる為なのですが、そもそも「語順に意味がある」と思って読まなければ、それは単に英語に触れている時間が長い、というだけで終わっていしまいます。
本当にやってもらいたいことは、「頭を働かせながら英語に大量に触れる」ということで、ボーっとしながら英語に触れようということではありません。何も考えずに英語に大量に触れたとしても、効果はほとんどありません。
もう一つ、中学英語を理解するために重要なこと。
私が中学生が中学英語を理解するのに妨げになっているのは、「一つ一つ文法を学んでいるから」というのがその大きな理由だと思います。
なぜ一つ一つ徐々に学ぶのが良くないかというと、横断的に理解し、比較しながら学んだ方が実は覚えやすいと思うからです。
例えば、一年生で「be動詞」「一般動詞」「現在進行形」を学びますが、これらは教科書に沿って順番で学んでいきます。
ほとんどの場合、途中で二つを比較したり、ないしは三つを横断的に見ることはありません。一つ一つをバラバラに教えていますし、そのように学生は理解しようとします。
人は、比べるからこそ一つ一つの違い・特徴を明確に把握できるのです。一つ一つ見せられても、どこが違うかということを理解するのはとても難しいのです。
だから、中学生が英語を理解しようと思う時にお勧めするのは、いったん教科書を横断的に見ること。そして、どういう表現を一年を通して学ぶかと見ること。その後で一つ一つのことについて学んでいけば、学びはずっと深まるでしょう。
ちなみに、その時にお勧めなのがこちらの本。
項目別に大別されていて、見開き2ページにつき一つの項目が載っているので、中学一年生に買ってあげることで、彼らは本の目次を見ながら自分は今どこを学んでいるのか、それは中学英語全体の中でどこなのかを把握しながら学ぶことができます。
まさしく、森を見たうえで一つ一つ自分の必要なところを細かく見ていけるので、それぞれの違いが際立ち、その結果より森全体への理解度が高まります。
すると、中学英語というのがはっきり理解できるようになるのです。
他の本でも、中学英語を横断的に学べればなんでもOKです。
本を手に入れて、一つ一つにこだわらずにまずは全体を見てから英語を勉強してみてください。驚くほど理解できますよ。
なお、この記事を終える前に最後にもう一つだけお伝えしたいとがあります。
中学校では発音記号は学ばない方が良い。
英語を読めるようになる為に通る道として、一部の英語の先生は発音記号を教えようとします。
これ、英語研究者になるのでなければ、学ばない方が良い知識のひとつです(英語研究者になりたい人は買いましょう)。
なぜなら、これも覚えるとなると英単語を覚えるのに「意味」「スペリング」「発音記号のスペル」「発音記号の読み方」と、2倍のものを覚えないといけなくなるからです。
正直言って、こんなことはあほらしい。
発音記号が分からなくても読めるようになります。それなのに、発音記号まで覚えるのは無駄だというのです。
アメリカでは子供たちに英語が読めるようになる為に教えているのはフォニックスという知識です。この知識をつけ、そして使い方について学ぶことで、発音記号は覚えなくても良くなります。それどころか、知らない単語を読めたり、スペリングもカンタンに覚えられるようになります。
そういう魔法の方法ですが、なかなか学校では教えてくれません。多分教えるのに正しい発音ができるというスキルが必要なので、学校では難しいのでしょう。
フォニックスを学べる無料ビデオを紹介します。
フォニックスを使ってスペリングをする方法はこちら。
こういうカードを買って練習することで、覚えられるようになりますよ。
フォニックスについてもっと知りたいという方はこちらの書籍がおススメ。
フォニックスは一生使えるスキルです。中学生になる前に覚えることで、苦労せずに中学英語に入れます。英文を読むことが苦ではなくなるので、フリガナを振ったりせずに済み、その結果さらに英文が読めるようになるからです。
英文を読むのが苦手な中学生は定期考査、そして高校受験で絶対に苦労します! だから、フォニックスはしっかりと小学生のうちに学んでおきましょう!
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