こんにちは。
塩釜BTC英会話教室の鈴木です。

最近、教育についてこんな話を目にすることが増えました。

「AIを使うと、子どもが自分で考えなくなるのではないか」

確かに、そういう面はあると思います。

分からない問題があったときに、すぐAIに「答えを教えて」と聞く。
作文の宿題をそのままAIに書いてもらう。

そんな使い方をしていれば、自分で考える機会は減ってしまうかもしれません。

でも私は、AIについて少し違う可能性も感じています。

AIがあるから、もっと考えられることもある

たとえば、自分が書いた意見をAIに見せて、

「どうして私はこう考えたんだろう?」
「この考えに反対する人は、どんなことを言うと思う?」
「もっと深く考えるために、私に質問して」

と聞くこともできます。

 

これは「答えを教えてもらう」のとは全く違います。

AIを、自分の代わりに考えてくれるものではなく、自分がもっと考えるための相手として使うわけです。

 

これまでなら、こうした対話の相手は先生や保護者などの大人だったかもしれません。
もちろん、今でも人との対話は大切です。

でもAIがあれば、家に帰ってからでも、自分の考えについて何度でも問い返してもらうことができます。

だから私は、

AIがある=子どもが考えなくなる

とは考えていません。

使い方によっては、むしろ今まで以上に深く考えるための道具になると思っています。

では、英会話教室では何をするのか

ここで一つ、別の疑問が出てきます。

AIと英会話ができる。
英文も直してもらえる。
分からないことも説明してもらえる。

そんな時代に、子どもたちがわざわざ同じ場所に集まって英語を学ぶ意味は何なのでしょうか。

 

私は、その答えの一つが、

「自分とは違う考えを持った人と出会うこと」

だと考えています。

 

先週、高校生のクラスでこんなライティングをしました。

テーマは、「将来仕事をするとしたら、何を大切にしたい?」です。

 

8つの条件を用意しました。

Salary(給料)
Work-Life Balance(仕事と生活のバランス)
Growth & Learning(成長・学び)
Relationships(人間関係)
Purpose & Meaning(仕事の意義)
Achievement(達成感)
Job Security(安定)
Autonomy(自分で決められること)

まず、この8つを自分にとって大切な順番に並べてもらいました。

そして上位3つについて、「なぜ、それが自分にとって大切なのか?」を英語で書いてもらいました。

やってみると、当然ですが、みんな違います。
それがとても面白いのです。

今週は「書いたもの」をみんなで持ち寄ります

そして今週は、その続きをします。

先週書いた自分の考えを、今度は他の生徒に伝えます。

「私が一番大切だと思うのはこれ」
「え? 私は違うよ」
「どうしてそれを選んだの?」
「その考え方はしたことがなかった」

そんなやり取りを英語でしていきます。

 

実際に今回のワークでも、

「自分と相手のTop 3は似ている?違う?」
「相手が選んだもので驚いたものは?」
「自分なら絶対Top 3に入れないものは?」

といった問いを用意しています。

 

さらにクラス全体では、

「日本で働くとしたら、実現するのが難しいのはどれだろう?」
「一つの仕事で8つ全部を手に入れることはできる?」

というところまで話してみます。

 

大切なのは、英語で正しい文章を言えることだけではありません。

他の人の考えを聞いて、自分の考えが揺さぶられること。

そこに大きな意味があると思っています。

AIに反対意見を言ってもらうのとは、少し違う

もちろんAIにも、「私と反対の意見を言って」と頼めます。

すると、とても上手に反対意見を出してくれるでしょう。

 

でも、同じクラスにいる同年代の友達が、本当に自分とは違うものを大切だと思っている。

それを本人の口から聞く経験は、AIとの対話とは少し違います。

「えっ、それが一番なの?」
「なんで?」

そこから質問が生まれます。

 

そして相手の話を聞いて、「そういう考え方もあるのか」と気づく。

 

場合によっては、「先週はこう思っていたけれど、今は少し違うかもしれない」となるかもしれません。

 

だから今回の授業の最後には、

Did Your Thinking Change?
(あなたの考えは変わりましたか?)

という問いを置いています。

最初に自分一人で考えたことと、みんなと話した後の自分の考えを比べてもらいます。

英語は「自分の考えを伝えるための道具」

もちろん英会話教室ですから、英語は教えます。
語彙も文法も必要です。
自分の考えを英語で組み立てる力も必要です。

でも、英語ができるようになった先には、「私はこう思う」と自分の考えを持ち、それを誰かに伝えることがあります。

そして、「あなたはそう考えるんだね」と、自分とは違う考えを受け取ることもあります。

英語は、そのための道具でもあります。

AIで考え、人と考える

だから私は、AIと英会話教室を対立するものとして考えていません。
AIは、一人で考えるときの良い相手になれる。

分からないことを聞いたり、自分の考えを整理したり、「なぜ?」と問い返してもらったりする。そうやって普段から思考する練習ができます。

そして教室に来たら、それぞれが考えてきたものを持ち寄る。

伝える。
聞く。
「なぜ?」と問いかける。
違う考えに出会う。
そして、もう一度自分で考える。

AIで一人でも学べる時代だからこそ、人と一緒に学ぶ時間には、人と一緒だからできることを。

これも、これからの英会話教室の大切な役割ではないかと考えています。

 

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